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TOPCOLUMNSNSデータからシビックプライドの「今」を分析!(VOL.3)

2024.08.16

SNSデータからシビックプライドの「今」を分析!(VOL.3)

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編集部では、サイト内の「シビックプライドの今」にも出ているオンライン上のシビックプライド関連のニュースや投稿の分析を行っています。その中で、編集部が面白い!と思ったニュースやトピックスをいくつかご紹介します。今月はモトツーリズムに関するコラム記事相模原市の「にゃんたい観測」とのコラボに関する話題です。

  • 黒田 太郎
    CIVIC PRIDE ポータル編集部
    シビックプライドポータル編集部として企画・編集・取材執筆を担当。普段はデジタルマーケターとして、企業のDX戦略、マーケティング戦略立案を支援。本業での業務を生かして、編集部ではSNSデータを使ったシビックプライド関連のニュースの分析、サイト運営などを行う。

過去30日間のワードクラウド

上記が過去30日間の「シビックプライド」というワードを含む、SNS投稿、オンラインニュース記事から関連語をワードクラウド化したものです。ここから編集部が気になったニュースをピックアップしました!

今月のPICK UPニュース

▶PICK UPワード:「モトツーリズム」
バイクによるツーリズム「モトツーリズムへの期待」
https://note.com/jmto/n/nfa83c8a68c96

▶PICK UPワード:「シティプロモーション」「生活衛生」
宇宙がテーマのキャラクタープロジェクト「にゃんたい観測」と神奈川県相模原市がコラボレーション
https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kankou/1026674/hayabusa2/index.html

「モトツーリズムへの期待」

最初の記事は、スポーツツーリズムの研究をされている林恒宏さんが、新たな提言としてバイクによるツーリズム=「モトツーリズム」の可能性について論じたnoteの投稿です。

こちらのnoteは、一般社団法人日本モトツーリズム推進機構(JMTO)が運営しています。

林さんはモトツーリズムに期待できることとして、①産業振興②観光振興③地方創生など3つの側面を挙げています。詳しくは、ぜひnoteの記事をご覧いただきたいのですが、ここでは特に「③地方創生」の可能性について取り上げたいと思います。

まず、林さんは、モトツーリズムは「都市部より地方部に優位性がある」と語ります。豊かな自然環境とともに、都心に比べて交通量が少ない快適な“走行環境”が、モトツーリズムにおいて重要なのだそうです。また、公共交通機関が発達していない場所でも観光客を誘致できるのがメリットとのこと。多くの観光客を誘致することは、地域の雇用創出や、ひいては人口減少対策にも繋がるだけでなく、住民にとっても「観光客がわざわざ訪れたいと思うような地域に住んでいる」というシビックプライドを育むきっかけになる可能性があるとのことです。

この記事を読んだ時、先日、滋賀県へ取材に行った時のことを思い出しました。地元の方へインタビューした際に、琵琶湖の周りをサイクリングで一周することを「ビワイチ」と呼び、その周遊コースがサイクリストの方や地元の方に親しまれていると仰っていました。(林さんのnote記事の冒頭でも触れられています。)「ビワイチ」という言葉を知らなかった私には、その周遊の仕方は非常に新鮮に映りました。きっとまだ地元の方しか知らない観光地や周遊コースが、地方にはたくさんあるのではないでしょうか。

公共交通機関や車を利用した旅ならば、どの地域でもある程度のモデルコースは確立されている気もしますが、小回りの利く自転車やバイクでの旅となれば、地元の方のほうが観光ガイド本よりも詳しいことは、容易に想像できます。そこがまさに「モトツーリズムとシビックプライド」の可能性だと感じます。観光客にとっては、ガイドに頼るのではなく、地元の方と交流しながら周遊することで、一度訪れた土地でも、公共交通機関で行った時とは別の魅力を発見できるのではないでしょうか。また、地元の方にとっては、自分が何気なく周遊しているコースや場所が、観光客にとっては非常に魅力的に映ることを知り、地元の魅力を再発見する機会になると思います。

このような好循環が生まれれば、観光客だけでなく、地元の住民のシビックプライド醸成にもつながる新たな旅のあり方として、より注目されていくことでしょう。編集部としても「観光×シビックプライド」の事例として今後も注目していこうと思います!

宇宙がテーマのキャラクタープロジェクト「にゃんたい観測」と神奈川県相模原市がコラボレーション

2つ目のニュースは、相模原市が宇宙や天体をモチーフにしたネコのキャラクター「にゃんたい観測」とコラボレーションしたという話題です。スペースバルーン*を飛ばしたり、市立博物館でコラボしたパネルの展示をしたり、「猫の譲渡面接会」でステッカーの配布を行ったりと様々な施策を展開していく予定です。
(*大型の風船にヘリウムガスを入れて成層圏や中間圏まで飛ばし、映像を撮影する高高度気球のこと)

なぜ宇宙や天体?と思われるかもしれませんが、相模原市はJAXAの相模原キャンパスがある土地として、「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」を標語に、市内外の人に宇宙をテーマにもっと相模原市に興味を持ってもらうための取り組みをいくつも行っています。

今回の施策も、その一環として行われました。相模原市は今までも多くのコラボ企画による話題創出や、関係人口の増加に成功しています。(詳細はこちらの記事をご覧ください)その中でも特徴的なのが、SNSでのつながりをキッカケに実現したコラボが多いということです。今回も市公式Xアカウント「相模原市シティプロモーション」とコラボ先のアカウントがX上で交流を深めたことがキッカケになって、企画の声かけがあり実現したコラボとのことです。

自治体のSNSアカウントというと、イベントの告知等をメインで行うものというイメージがあるかもしれません。しかし、この「相模原市シティプロモーション」は、日頃から一般のXユーザーの方と積極的にコミュニケーションを取っています。このようなコミュニケーションがキッカケとなって、同じくアカウントを運用する著名人やキャラクターとのコラボにつながっているのではないでしょうか。

すべての自治体が、ユーザーとコミュニケーションを取るなどの柔軟なSNS活用を行うのは難しいのかもしれません。しかし、多くの人が日常的に使っているSNSから、市民の間で話題になる企画を発掘するというのは、理にかなっている気がします。

SNSはみんなのスキ・キライといった感情が集まりやすい場所です。このスキ・キライを分析することで、今生活者がどんなことに興味を持っているのか、自分が住む地域に対する好意度はどうかといった重要な情報を得ることができます。相模原市の数々のコラボ企画においても、日頃からSNSでコミュニケーションを取っているからこそ、どんな企画が市民には受け入れられず、どんな企画なら市民に愛されるだろうということを自然と判断できているのではないでしょうか。

編集部が気になったニュースは以上になります。今回は、今までの取材で伺った人の言葉や、そこで得た知見とつながる話題が多くなりました。今後の取材記事もぜひ楽しみにしていてくださいね!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

(文:黒田)

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