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TOPCOLUMNSNSデータからシビックプライドの「今」を分析!(VOL.5)

2024.11.22

SNSデータからシビックプライドの「今」を分析!(VOL.5)

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編集部では、サイト内の「シビックプライドの今」にも出ているオンライン上のシビックプライド関連のニュースや投稿の分析を行っています。その中で、編集部が面白い!と思ったニュースやトピックスをいくつかご紹介します。

  • 黒田 太郎
    CIVIC PRIDE ポータル編集部
    シビックプライドポータル編集部として企画・編集・取材執筆を担当。普段はデジタルマーケターとして、企業のDX戦略、マーケティング戦略立案を支援。本業での業務を生かして、編集部ではSNSデータを使ったシビックプライド関連のニュースの分析、サイト運営などを行う。

過去30日間のワードクラウド

今月のPICK UPニュース

▶PICK UPワード:「シーズンの最後」「目まぐるしい成長」「チームの成長」等
アルティーリ千葉に関する千葉市長の投稿
https://x.com/kamiya_shunichi/status/1839085038685794538

▶PICK UPワード:「地域のブランドイメージ」
旧・月潟駅の「かぼちゃ電車」に関する話題
https://kaboden.jimdofree.com/

アルティーリ千葉に関する千葉市長の投稿

最初の話題は、千葉市の神谷市長がXで、千葉市をホームタウンとするプロバスケットボールクラブのアルティーリ千葉の昨シーズンの活躍を振り返った投稿に関するものです。

アルティーリ千葉の代表取締役CEOとHC・キャプテンと記念撮影をする神谷市長

投稿の中で、神谷市長はアルティーリ千葉の昨年の試合を挙げながら、「チームとアックス(アルティーリ千葉のファン)のつながりがさらに強固になった」と昨年の活動を振り返っています。

それに続く「私たち千葉市も今シーズンはもちろん、中長期的にもチームがシビックプライドとなるべくホームタウンとしての役割を果たしていきたいと思います。」という言葉からは、千葉市がスポーツを通じて、シビックプライドの醸成を目指していることが伺えます。

*市の資料では、「スポーツ文化の発展」「スポーツを通じた健康づくりの機会増加」「まちの活性化、一体化」「市の魅力向上」などを挙げ、それらが「市への誇りや愛着=シビックプライドの高まり」につながると説明しています。

また、現在多くの自治体がプロスポーツチームと連携したシビックプライド醸成のための活動に力を入れていることからも、シビックプライドにおけるスポーツの重要性がよくわかります。

そのような状況の中で、今後はスポーツを通じた”関係人口の創出“が重要テーマになっていくと思います。

ご存知の方も多いと思いますが、スポーツは自治体外からでもその地域に興味を持ってもらえる可能性を秘めた強力なコンテンツです。

市外から350万人もの来訪者を誘引する北海道北広島市のFビレッジや、スポーツ資源を活用して新たな産業創出を行い、人材や事業者を呼び込もうとしている横浜DeNAベイスターズなど、ホームスタジアムへの集客という施策にとどまらない先進事例も増えてきています。

調べてみると、千葉市も「スポーツ振興課」で、ホームタウン推進事業を行っていることがわかりました。

現状千葉市をホームタウンとするチームは主に、プロ野球チームの千葉ロッテマリーンズ、プロサッカーチームのジェフユナイテッド市原・千葉、そしてプロバスケットボールチームのアルティーリ千葉があり、スポーツ振興課は、これらのチームと連携し、スポーツを通じたPR活動やまちの活性化に取り組んでいます。

ホームタウン推進事業の具体事例

自治体の広報課やチームの運営会社、DMO(観光地域づくり法人)などが連携することで、地域住民のシビックプライド醸成のためだけでなく、自治体外からの関係人口創出のためにも、ホームタウンチームの力を活用していけるのではないでしょうか。
そんな可能性を感じる話題でした。

旧・月潟駅の「かぼちゃ電車」に関する話題

続いての話題は、新潟市南区月潟(つきがた)にかつて存在した旧・月潟駅を通っていた、通称「かぼちゃ電車」に関する話題です。

提供:かぼちゃ電車保存会

9月22日にかぼちゃ電車の乗車体験が行われていたらしく、X上でも多くのファンがかぼちゃ電車のことを「地域のブランドイメージの象徴みたいに育ってきている」などとつぶやかれていました。

「かぼちゃ電車」とは、かつて新潟交通が運営していた新潟交通電車線の車両の愛称です。1999年に全線が廃止となったものの、鉄道ファンや地元の有志からなる「かぼちゃ電車保存会」が、今日まで保存活動や各種イベントを企画していたようです。

「『かぼちゃ電車』が地域のブランドイメージの象徴みたいに育ってきている」という投稿があったと紹介しましたが、おそらくその例に当てはまりそうだなと思ったのが、新潟交通の「かぼちゃ電車バス」の運行です。 かぼちゃ電車の特徴である黄色と緑のツートンカラーにラッピングされた路線バスが、2016年より月潟を含む新潟市内で運行しています。2024年9月からは2両目となるかぼちゃ電車バスⅡが運行開始しました。かぼちゃ電車保存会も、このラッピングバスの車体カラーの再現などに協力しているようです。

(左)かぼちゃ電車バス (右)かぼちゃ電車バスⅡ
提供:かぼちゃ電車保存会

かぼちゃ電車の車両の色が、市内を走行するバスのカラーリングに採用されるということは、このカラーリング自体が、月潟というまちのシンボルカラーとして認識されつつあるということではないでしょうか。

廃線になった今でも、黄色と緑の印象的なツートンカラーを覚えている人は多いはずです。市内を走行するバスを見て、ぱっと見で「あ、かぼちゃ電車だ!」と自分が昔乗っていた思い出と共にかぼちゃ電車を想起することは、月潟への思いを巡らせるきっかけを与えてくれますし、ひいては月潟に対する愛着の思いを育んでくれるきっかけになるのではないでしょうか。

改めて、まちの風景の一部としてのカラーリングやデザインが地域への愛着づくりに大事だなと思わせてくれる話題でした。

また、地元の月潟小学校では総合的な学習の時間でふるさと月潟について調べており、かぼちゃ電車保存会のメンバーから旧・月潟駅と、かぼちゃ電車について学ぶ機会もあるそうです。これもかぼちゃ電車が単なる移動手段から、月潟の文化的な遺産として、市民に見なされているからこそ、廃線した後も若い世代に語り継がれているのだと思います。

今後もかぼちゃ電車保存会による市民発の活動が、月潟市内を巻き込んでどう発展していくか楽しみですね!

編集部が気になったニュースは以上になります。それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

(文:黒田)

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