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TOPCOLUMNSNSデータからシビックプライドの「今」を分析!(VOL.2)

2024.07.23

SNSデータからシビックプライドの「今」を分析!(VOL.2)

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編集部では、サイト内の「シビックプライドの今」にも出ているオンライン上のシビックプライド関連のニュースや投稿の分析を行っています。その中で、編集部が面白い!と思ったニュースやトピックスをいくつかご紹介します。今月はBEAMS JAPAN×名古屋・愛知の取り組み5事業者が神戸で進めるまちづくりnote×福井県坂井市の連携協定です。

  • 黒田 太郎
    CIVIC PRIDE ポータル編集部
    シビックプライドポータル編集部として企画・編集・取材執筆を担当。普段はデジタルマーケターとして、企業のDX戦略、マーケティング戦略立案を支援。本業での業務を生かして、編集部ではSNSデータを使ったシビックプライド関連のニュースの分析、サイト運営などを行う。

過去30日間のワードクラウド

上記が過去30日間の「シビックプライド」というワードを含む、SNS投稿、オンラインニュース記事から関連語をワードクラウド化したものです。ここから編集部が気になったニュースをピックアップしました!

今月のPICK UPニュース

▶PICK UPワード:「名古屋グランパス」「記念ユニフォーム」「熱田神宮」など
BEAMS JAPAN「大名古屋展2024」を8月1日(木)より開催
https://www.beams.co.jp/news/4024/

▶PICK UPワード:「生物多様(性)」「スマート技術」「大型分譲」など
生物多様性配慮とスマート技術を融合した神戸市垂水区の大型分譲地『ウインズタウン神戸みずき台』が5月23日(木)にまちびらき
https://homes.panasonic.com/company/news/release/2024/pdf/0523.pdf

▶PICK UPワード:「連携協定」など
市民目線で地域の魅力を発信!若者世代の定住を促進。福井県坂井市とnoteが連携協定を締結
https://note.jp/n/n24bc4fa4086d

BEAMS JAPAN×名古屋・愛知の取り組み

最初のニュースは、BEAMS JAPANが「大名古屋展」を今年の8月に開催するというニュースです。

BEAMS JAPANとは、衣料品・雑貨のセレクトショップで有名な株式会社ビームスが、日本全国の衣料品はもちろん工芸品やポップカルチャー品など幅広いカテゴリーの商品を掘り起こし、日本の魅力を国内外に発信する事業です。

そんなBEAMS JAPANが、名古屋・愛知の企業とコラボレーションして、地元のシビックプライド醸成や県外の方への魅力発信を目指したプロジェクトが「大名古屋展」。今年で5回目の開催になるようです。

BEAMS JAPANならではのクリエイティビティを活かして、名古屋グランパスとの記念ユニフォームを、熱田神宮に奉納された信長ゆかりの名刀「蜘蛛切丸」をモチーフにデザインするなど、名古屋ゆかりの歴史や物を使い、生活者が思わず買いたくなるスタイリッシュなデザインに昇華させていますね。

BEAMS JAPANは、この事例だけでなく自治体と連携して、地元のふるさと納税品をプロデュースするなど企業の強みを活かした地域貢献事業にも積極的です。

最近では、このように生活者向けのサービスをメインで行う企業が、ノウハウを活かして自治体の課題解決やシビックプライド醸成に貢献している例を良く目にします(前回のユニクロと無印良品もその例)。生活者にとって馴染みのあるブランドがプロデュースした商品となると、つい手にとってしまう人も多く、生活者への影響力も強いので、これからも注目していきたいと思います。 企業のブランド力と地域の魅力を掛け合わせるケースは、ブランドありき・単発の施策にしないために持続的に取り組んでいく視点も大切です。継続することでより効果のある施策にするために、地域と企業が議論を重ねていくことも重要だと感じています。

ハウスメーカー5社が神戸で進めるまちづくり

続いてのニュースは、パナソニック ホームズ株式会社およびトヨタホーム株式会社・トヨタホーム近畿株式会社、ミサワホーム近畿株式会社、住友林業株式会社、セキスイハイム近畿株式会社の5つのハウスメーカーが共同で販売を行う大型分譲地「ウインズタウン神戸みずき台」が5月23日にまちびらきをして、分譲がスタートするという話題です。

『ウインズタウン神戸みずき台』 現地空撮

このまちは神戸市垂水区に位置し、明石海峡を望む高台に位置しています。自然豊かな環境を活かし、約5.2haにわたる里山部分を整備。住民専用のテントサイト「星空テラス」や、自然の中での散策が楽しめる「トレジャーフォレスト」があるなど、自然との共生や生物多様性を守ることを目指したまちづくりが行われているようです。

さらに、このまちの特徴と言えるのが、まち全体に“物語”が設定されていること。まち全体を「大きな庭」と捉え、神戸市灘区の摩耶山にも姿を現す蝶アサギマダラをモチーフにした“幸せを運ぶ青い蝶が飛来する物語”をベースにし、「ガーデン」と呼ぶ5つの区画それぞれにテーマを持たせています。まち自体に物語を持たせるという非常にユニークな発想が生まれた背景には、物語を通してまちが目指す自然との共生や、生物多様性に対する住民の共感を得て、シビックプライドを醸成してほしいという思いがあるそうです。

まだ実際の住民の方の反応を伺うことはできませんが、新たに作り出した分譲地のブランド化、住民の愛着のためにまちに物語をもたせるこの取り組みは、都市開発における住民のシビックプライド醸成のモデルケースになっていくかもしれません。

note×福井県坂井市の取り組み

最後のニュースは、文章やマンガ、写真、音声などを投稿できるメディアプラットフォームnoteが、福井県坂井市と地域連携協定を結び、地域の魅力を発信するオウンドメディアをnote上に開設したという情報です。

この取り組みの特徴は、坂井市に関係する市民を“市民ライター”として募集し、実際に取材から記事執筆まで行って、このオウンドメディアに投稿してもらう点です。市民・若者目線で坂井市の魅力を発信してもらうことで、住民だけが知っている坂井市の魅力を市内外の人に伝えていくことが目的のようです。また、この発信を通して、ライター自身にも坂井市の魅力を再発見し、シビックプライドを育んでもらいたいという意図もあるとのこと。

編集部では、自治体が自らHPを運営するのではなく、noteというプラットフォームを借りて情報発信を行っているところにも着目しました。
オウンドメディアを開設する際には、主にWEBサイトを一から作る場合と、noteやSNSなどのプラットフォームを利用する場合がありますが、どちらを選ぶかによって今後の運用に大きな違いが出てきます。例えばWEBサイトはデザインや機能などをすべてカスタマイズできるのに対して、後者はプラットフォームのデザインやUIに依存します。一方で、WEBサイトは構築や記事の入稿にある程度の専門知識が必要になりますが、noteのようなプラットフォームは、記事を書く際のテンプレートが豊富だったり、操作が容易だったりと、WEBライティングの経験がない人でも利用しやすいというメリットがあります。 この2つの違いは、他プラットフォームとの連携のしやすさや、SEOの観点でも様々な比較ができますが、今回の場合は、“市民ライター”の方が執筆まで行うということで、noteのような使いやすいUIのプラットフォームで発信することは非常にメリットが大きいと思います。おそらく坂井市の方は、そういった観点で情報発信の拠点としてnoteを選ばれたのではないでしょうか。

今月の気になるニュースは以上です。また次回も楽しみにしていてください!

(文:黒田)

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