シビックプライドとは
わたしたちが大切にしている様々な角度から紹介します。
「シビックプライド」という言葉の意味や考え方を
シビックプライドってなに?

好きなまちに感じる
“誇り”や“愛着”、 “共感”の気持ち。
「シビックプライド」とは、市民が都市(まち)や地域に対して持つ「誇り」や「愛着」を表現する言葉であり、まちをより良い場所にするために関わっているという意識を伴う、ある種の当事者意識に基づく自負心のことです。つまり、シビックプライドは、地域の歴史や文化、スポーツや芸術、産業など、さまざまな要素に対し、自分事として関わることによって育まれる「まちとの絆」とも言えます。ここで言う「シビック」は、まちに住んでいる人だけではなく、働いたり、遊びに来たりする人たち、NPOや企業も含まれます。
まちを好きになる、まちをより良い場所にしていきたいと思う人が増えることによって、まちの様々な価値、「文化的価値(美術、芸術、音楽、スポーツ…)」、「社会的価値(地域交流、相互支援、治安維持…)」、「経済的価値(観光集客、産品販売、不動産地価…)」、「イメージ価値(好感度、認知度…)」などが高まり、結果として、定住人口、流入人口、交流人口、関係人口の維持や増加をもたらすと考えられています。少子高齢化による人口減少が進む中、活力のあるまちづくり、持続可能なまちづくりを行うためには、まちに関わって行きたいと思う「まちのファン」を増やして行く必要があり、多くの自治体や地域の企業において、シビックプライドへの期待は益々大きくなっています。
シビックプライドを醸成するためには、「一人ひとりがまちの一員であることに気づいてもらう」、「まちのビジョンを共有できるようにする」、「誰もが一緒にまちを創り上げていくという“気分”を盛り立てる」ことが大切です。そのためには、「まち」と「市民」は相互にコミュニケーションを図る必要があります。つまり、まちは多様な市民に対して、「まちのファン」になってもらうための情報やメッセージを届け、また、市民はアイデアや活動を通じて、まちと関りを持つことが必要です。シビックプライドとは、都市と市民との相互コミュニケーションをデザインすることによって育まれるものだと考えています。
書籍のご紹介
2006年からスタートし、都市インサイト研究の中核テーマとなるのが「シビックプライド研究」であり、これまでに2冊の書籍をシビックプライド研究会として出版しています。生活者中心の社会はどこへ向かうのか?その時に都市・地域と市民・コミュニティとの間には、どのようなコミュニケーションのデザインが必要となるのか…日本はもちろん世界の都市の動向を視野に入れつつ、フィールド発想のリサーチやパートナー企業との事業構想などに取り組んでいます。

シビックプライド
都市のコミュニケーションを デザインする
(宣伝会議Business Books)
本書は、ヨーロッパの都市をケーススタディとして取材、分析した、地域活性につながるまちづくりの指南書。
自治体や都市開発に携わる方々だけでなく、建築・デザイン、コミュニケーションビジネスにかかわる全ての方にお読みいただきたい一冊です。

シビックプライド2 【国内編】
都市と市民のかかわりをデザインする
(宣伝会議Business Books)
近年「シビックプライド」の考え方は、地域活性の切り札として脚光を浴び、行政や立法の場でも取り上げられることが増えてきました。
第2弾の本書では、日本国内での取り組みに焦点を当て、シビックプライドを醸成する具体的な手法に迫ります。