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読めば琵琶湖

成瀬は都を駆け抜ける
宮島未奈 (著)  新潮社刊
主人公である成瀬あかりはシビックプライドの体現者といえるキャラクターです。
閉店が決まった西武大津百貨店に毎日通ったり、地元の地名をコンビ名にして漫才グランプリに挑戦したり、びわ湖大津観光大使を務めたり。
大津市民憲章「あたたかい気持ちで旅の人をむかえましょう」にならい、近江神宮で行われたかるた大会の対戦相手である広島県の高校生男子2人を琵琶湖のミシガンクルーズに招待するシーンがあります。代金を払うといわれると「その分で大津みやげを買ってお金を落としていってくれたらいい」と返します。
成瀬あかりのシビックプライドは、正義感や義務感にさいなまれた圧ではなく、極めてあっさりしていて愛があり、気持ちが良いのです。
彼女のような「人」に惹かれ、ささいなやり取りを重ね、その土地ならではの風土が情景として浮かぶのが、この物語3部作の心地良さです。
シビックプライドは、人口減少に抗うための“焦り”になってはいけないと思います。
滋賀には、雄大な琵琶湖が紡いできたテロワール(フランス語で「風土、自然環境由来の個性」などの意味)があります。成瀬の口癖「びわ湖はみんなのもの」の通り、日本最大の湖を預かる県としての誇り、寛容さ、包容力がまちに溢れ、住む人の心をほぐし、訪れる人を迎えてくれます。この本を通じて、滋味深い(滋賀らしい)シビックプライドを感じていただけると嬉しいです。

※書影は「成瀬は都を駆け抜ける」ですが、紹介文はシリーズ3部作についてのものです。気になった方は「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」もぜひ手に取ってみてください。
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山岸未加滋賀銀行 総合企画部 サステナブル戦略室 未来デザイングループ
滋賀生まれ、京都育ち、滋賀就職。現在は滋賀に住まい、滋賀の魅力に心を奪われています。琵琶湖の湖上にある観測塔が私にはモルディブの水上コテージに見え、いつか住みたいと思っています。

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