■2023年4月、コスメティックブランド『SHIRO』が、地元住民も気軽に立ち寄れる工場として、ショップやカフェ、キッズスペースなどが併設された施設「みんなの工場」を北海道砂川市にオープン
■工場の建設に先立ち、自然環境に工場の価値を還元する循環型の施設を目指し、2021年6月から「みんなのすながわプロジェクト」を立ち上げ。市民との十数回のワークショップや座談会を経て必要とされる施設を完成させた
■砂川市民や道内外からプロジェクトに興味を持って参加した“みんな”の思いが詰まった施設にはこだわりや仕掛けがたくさん。みんなでメッセージを記した外壁や、間伐材を使用しみんなでつくり上げた屋外ベンチや小屋の板葺き屋根など、砂川の自然と人との”共存”が感じられる施設となっている
市民との対話を重ねてつくり上げた“みんな”のための施設
「コンセプトは開かれた工場です」と私たちを案内してくれた施設長の武田さんは言います。施設内は大きなガラス一枚を隔てて、向こう側にはSHIROの製品がつくられる製造ラインが、その向こうには自然素材が味わえる「SHIRO CAFE」や、オリジナルフレグランスづくりが体験できる「ブレンダーラボ」やショップ、キッズスペース、ラウンジ、ライブラリーなどが並びます。
研究開発をするスタッフが真剣に試作をつくっている横で、子どもがキッズスペースではしゃいだり、地元のおじいちゃんやおばあちゃんがラウンジで本を読んでいたり…。企業の製造工場が訪れた人にとってここまで身近で、開かれた空間になっていることに驚かされます。
武田さん曰く、今までスポットライトが当たってこなかった製造スタッフの働く姿も見えるようにしたことで、訪れた人だけでなく、工場で働く人々のモチベーションを向上させることにもつながったそうです。
▼ガラスで仕切られた製造ラインと来訪者用のスペース

ここまで地元住民が積極的に訪れる場所になった要因は、工場建設前から十数回のワークショップや座談会に市民を巻き込み、必要とされる施設の姿を市民と共に探求したことが大きいと思われます。
市民とのワークショップを経てつくり上げた工場の外壁や屋外ベンチには、参加した人々の名前やメッセージが刻まれています。彼らはきっと「みんなの工場」を訪れるたびに、外壁や屋外ベンチの一部に自分の名前が刻まれていること、そしてこの施設づくりに自分が携わったことに「誇り」を感じ、この場所への「愛着」が増すのではないでしょうか。まさにシビックプライドの醸成にとって欠かせない二つの大切な気持ちです。
▼ワークショップに参加した人々の名前が刻まれた屋外ベンチと外壁

「みんなの工場」は建設前から砂川市民とのワークショップや座談会を重ね、施設づくりに市民の声を反映してきたからこそ、今も人足が絶えることなく、市民の憩いの場として利用されています。企業が一方的に発信するのではなく、市民と一緒に考えることから地道に積み重ねていく大切さにあらためて気づかされる事例です。
▼キッズスペースのジャングルネット

▼スタッフが自ら選書した本が並ぶライブラリー

▼「みんなの工場」の全体マップ

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