■広島都心会議は、広島のまちづくりに関わる様々なステークホルダーが参画する団体(オブザーバーとして広島県、広島市も参画)。広島都心活性化の動きや“官民連携でのまちづくり組織設立”といった機運が高まっていることを背景に、2021年に設立された。
地域住民や地権者・民間企業・エリアマネジメント団体等様々な関係者や行政と連携しながら、継続的にまちづくりを推進している。
■広島都心会議の中には「ひろしまブランド部会」「スマートシティ部会」「観光リバブル部会」「都市再生部会」という4つの部会があり、県や市、地元企業などのメンバーが集まり、議論を重ねている。
■「ブランド部会」では2023年度から、市民や学生、県外流出者などを対象とした「わたしのひろしまゼミ」の開講に着手。一人ひとりが自分自身のシビックプライドに気づき、深め、育むことができるワークショップ形式のコンテンツを開発し、2024年3月には広島都心会議有志+エリアマネジメント団体有志+行政+学生により、第1回を開講した。
■ワークショップの内容で特徴的なのは、参加者同士が一対一で行う「マイひろしまインタビュー」のコーナー。自分の生い立ちから今に至るまでを、“ひろしま”を軸に語り尽くしてもらうことで、話す方はもちろんインタビュアーも、一人ひとりのひろしまライフを追体験・再確認でき、一人ひとりが主役になれる設計に。年齢差があるのに意外と共通点が見つかるなど、盛り上がりをみせた。
|担当者コメント(YOMIKO都市生活研究所 日浦康雄)
沢山の子ども達が進学や就職を機に出て行ってしまう
このまちの「心からの広島ブランド」づくりプロジェクト
当初ブランド部会では、いわゆる“広島ブランド”を規定し、広島都心会議内外に発表していくことを想定していました。しかし、議論はとても盛り上がるものの1年以上経ってもブランド規定には全く至らず(各自の思いがあったり、ブランドって事業目的次第だったり)…
ただ、議論を重ねる中で、部会メンバーが改めて気が付いたことがあります。それは、この“議論すること”自体がとても大切なことなんじゃないか、ということ。ブランド部会に参加したメンバーが自身の「ひろしま愛」に気づき、愛がどんどん高まっていったんです。
つまり、かっこいい/おもしろい/ユニークな/目立つ/差別化された“いわゆるブランド”の一歩手前に、「広島には誇れるブランドなんてないんじゃない?」という素直な気持ちから始める、広島人が本気で誇りに思える「心からのブランドづくり」が大切だということ。
そこで、一人一人の「マイシビックプライド醸成」に向けたゼミを開講することで、都心会議だけでなく各エリアマネジメント団体を含めた様々な活動の中心になっていく人財を育てていこう(自分たちも、学生たちも)とプロジェクトを推進しています。
この取り組みが、住民の域外流出はもちろん、地元へのシビックプライドがなかなか育たないという課題を感じている人たちにとって「最初の一歩」のヒントになればうれしいです。